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−トボトボある記−
《その23》
                                                平成18年8月3日
23.映画界に不況の波
 22日目−昭和39年2月27日付け十勝日報は、「映画界に不況の波−オリオン劇場身売り」との見出しでこう報じている。
 〜戦前、帯広市内に映画館は帯劇、キネマ館、ミマスの三館しかなかったが、戦後は映画は儲かるものと雨後のタケノコのように開館。現在はセカンド館も含めて十館を数えるまでになった。たしかに27,28年ごろ映画館は、宣伝なくして黙っていても儲かるほど好景気を呼んだが、十勝でもテレビが受像できるようになった数年前から映画界にも冷たい不景気カゼがしのびより、昨年からガッタリと映画人口は減りはじめた。興行界でもことしが一番ヤマ場で、小屋を閉めるところがあるのではないかとのウワサがもっぱらであったが、近くオリオン劇場は身売りされる。〜
 昭和39年は東京オリンピックが開催された年であった。日本国中がオリンピックムードに酔いしれている中、一方で全国の映画界は青息吐息の日々を過ごしていたのである。
 そんな中にあっても、例えば東宝は、植木等主演の「日本一のほら吹き男」などの喜劇シリーズで配給収入を伸ばしていたし、東映も、芸術か娯楽かの悩みを抱えていたが、映画は「網走番外地」で乗り切りをはかり、人気のあったボーリング場の経営にも力を入れたのであった。ちなみに、帯広の東映ボーリング場は昭和40年の11月にオープンしている。
 この頃の東映映画はと言えば「網走番外地・北海篇」(主演高倉健)、「娼婦しの・四畳半物語」(主演三田佳子)、「非行少女ヨーコ」(主演緑魔子)、「沓掛時次郎・遊侠一代」(主演中村錦之助)、「網走番外地・荒野の対決」(主演高倉健)、「893愚連隊」(主演松方弘樹)、「昭和残侠伝・一匹狼」(主演高倉健)、「サイボーグ009」(動画・声の出演大田博之)、「一万三千人の容疑者」(主演芦田伸介)、「湖の事」(佐久間良子)を、日本映画発達史(田中純一郎著)は上げている。
 この中の、高倉健主演の「網走番外地・荒野の対決」(昭和41年・1966年制作「その人は昔」(東宝・主演舟木一夫)の一シーンが日高や十勝、静内そして函館でロケされているのであるが、今日現在十勝のどこでと特定はできていない。
  この昭和40年前後の十勝の世相はどうであったかと言うと、39年2月8日に第1回帯広氷まつりが開催されている。同じ年、芽室町では136棟を焼く大火があり、広尾町では7月1日から広尾港を「十勝港」と変えている。昭和41年11月帯広民衆駅竣工、昭和42年帯広市長吉村博氏四選、帯広スバル座閉館、昭和43年5月16日、マグネチュ−ド8.7の十勝沖地震発生、帯広図書館新築移転などがまちの話題であった。


88.昭和41年(1966年)
  (菅野作品)
89.(鎌田作品)

90.昭和42年(1967年)
  (菅野作品)
91.(鎌田作品)

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